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リノベーションはお部屋だけ?

賃貸で大事な「あの部分」も忘れずに!

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不動産情報サイト「at home」を運営するアットホーム株式会社が、「中古住宅のリノベーション実態調査」と題した調査結果をこの12月(2019年)に公表しています。対象となったのは、「過去5年以内に中古住宅を購入し、リノベーションをした全国の20歳以上の男女309名」とのこと。

なお、この調査では、リノベーションの定義について、

リノベーション:
大規模な工事を行い、住まいの性能を新築の状態よりも向上させたり、価値を高めたりすること

リフォーム:
老朽化した建物を新築の状態に戻すこと

ご覧のとおり、やや広い解釈がとられています。

かつては、オフィスを住宅に改装する、ファミリー用物件をDINKS向けに変えるなど、建物の用途・目的を変更するための大規模改修をリノベーションと呼ぶ人が多かったのですが、近年は若干様子が変わってきているようです。

今回はこんな結果が出ています。


「住宅を購入する際、最初に検討したのは新築・中古のどちらですか?」

新築 …12.3%
中古 …68.9%
こだわりなし …18.4%
わからない/覚えていない …0.3%

ご覧のとおり、初めから中古で検討していた人が約7割という結果です。

さらに…

「リノベーション前提で中古住宅を購入しましたか?中古住宅を検討している最中にリノベーションを検討し始めた方は『いいえ』とお答えください」

この質問に対しては、

「はい(リノベーション前提で中古住宅を購入した)」…77.0%
「いいえ(途中からリノベーションの検討を始めた)」…23.0%

ご覧のとおり、8割近くがリノベーションを前提に中古物件の購入を検討しています。すなわち、当初より「中古購入&リノベーション」のプランを胸に、まっすぐ歩んだ方が、中古住宅購入者には比較的多いことが示される結果となっています。

ちなみに、中古を買って、手を加えるというアクション、ほかに似たものは? といえば、すぐに思い浮かぶのが車やバイクです。いわゆる「カスタム」です。すると、車やバイクのカスタムの場合、いまはざっと男性趣味といっていい世界ですが、もしかすると中古住宅のリノベーションにもその傾向があったりするのでしょうか?

マイホーム選びは女性主導とよく言われますが、中古リノベーションに限っては男性が意思決定をリードしている…? その点、今回のアットホームさんの調査結果からは、残念ながら糸口を掴むことはできません。

ところで、賃貸住宅です。

賃貸住宅でも築古物件を中心に、リノベーションでこれをよみがえらせるチャレンジは数多く行われています。そこで、この記事をお読みの皆さんへ質問です。

・分譲マンションではなかなか行われず、行うのも大変なリノベーション
・しかし、賃貸では予算さえあれば即断で実行できる
・入居者募集面での効果もおそらく高い

それは何でしょうか?

答えは、そうです。「共用部分のリノベーション」です。

分譲だと大変です。管理組合での決議など、住人の合意がなければ、たとえ資金はあってもそう単純にコトは進みません。ですが、賃貸の場合は簡単です。オーナーさんがやると決めればそのまま実行可能です。

なお、「共用部分」だと、主に廊下とエントランスが思い浮かびますが、ここでは外装・外構すべてを含めた、「居室部分以外でのリノベーション」と、範囲を広げてイメージしてみてください。

例を挙げましょう。たとえば、ゴミ置き場です。ゴミ置き場の外見がきわめてよくない物件が、賃貸には数多く存在します。

仲介会社のスタッフが、物件の前に車を停め、「こちらの建物です」と、入居希望者さんに伝えた瞬間、いきなりゴミの山が目に飛び込んでしまうような物件、数え切れないほどあるのでは?

そこで、こうした物件に対し、外構リノベーションで改善の手を打ったオーナーさんがいらっしゃいます。まさに、物件の汚い「顔」となっていた平置き・露天のゴミ置き場をやめ、その周囲も含めて丸ごと花壇に変えたのです。

見苦しく、ときには悪臭さえ漂っていた場所が、季節の花が咲く洋風の庭に一変しました。

収集日を守らず出されたゴミ、カラスが散らかした生ゴミ、道行く人が放り投げていったコンビニのコーヒーカップ、それらがいつも散乱していた風景は、悪夢から覚めるかのように一掃されました。

では、ゴミ置き場は? といえば、実は、相変わらず同じところにあります。ただし、露天・平置きは廃止です。ゴミは収集ボックスに投入するかたちとなりました。なおかつ、通りから目立たないよう、ボックスは花の陰に隠れています。

ほかにも、築古アパートのイメージアップに特に効果のある外観リノベーションとして、木製の連子(連格子などとも)を採り入れる方法もあります。とてもおしゃれでウッディな空間ができあがります。

縦長の細い木材を用い、各居室のテラスや玄関の外側に立てて並べるスタイルが、このやり方の定番です。通常、目隠しを兼ねています。

「通りを歩く人の視線を浴びてしまう」ということで、なかなか入居者さんが決まらないアパートの1階などが、これにより見違えるほど景色を変えることもよくあります。

(文/朝倉継道 参照元/アットホーム株式会社 画像/123RF)

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